『ハナクマ手帖』
訪れるたび、「花隈に住んでてよかったあ」と
しみじみ感じる素敵なご近所さんたちを、
ハナクマ荘の管理人が書き記した手帖です。
旅と、いつもの街歩きのヒントに。
暮らしの目線から、
花隈のオススメをお届けします。
さりげない野花のように
安らぎをくれる生花店
いつものように歩いていると、ふと、足元の花に目が留まる。
そういう自然さで、この町にそっと佇むお花屋さんがあります。
『loji flower』というのが、このお店の名前です。大きな通りに面しているのに、中へ入るとすうっと音が遠のいて、ふしぎに安らぐ小さな空間が広がっています。
控えめな照明に照らされている、柔らかな色合いのドライフラワーや季節の花々。それらに混じって、野原で摘んできたみたいな、素朴な草花もかわいらしく並んでいます。
「気づく人は気づく、という感じでいいんです。」
そんなお店の雰囲気について、店主のみどりさんは、気負いのない様子で話してくれました。
「こういうお花を置くと、こういう気分になりますよ、とか、花屋目線のおすすめは、あんまりしていないです。お客さんの方が、よっぽどわかっているので……。
花が必要な人はうちに目を留めてくださるし、それが美味しいお菓子だっていうひともいる。」
うちはそんな感じなんです、と、少し照れたように教えてくれました。
心が欲したときにそばに寄って、そっと愛でることができる。なんだか本当に、路地裏に咲いている、おおらかな野花のようです。
だから、ご近所の人たちにとって、loji flowerへ訪れるのは特別な日だけに限りません。
日常に小さな喜びを添えてくれる草花を求めて、多くの常連さんがこの場所へやってきます。
お店へいくたび、いつも温かく迎えてくれるみどりさん。
お花屋さんは子供の頃からの夢だった!というわけでは、意外にもないようで。
植物が好きで、どちらかというと自然に、この道に進むことになったのだそう。
「小学生のころ、お小遣いでよく植物を買っていました。
それも、チューリップとかひまわりとかじゃなくて、『アツザクラ』っていう、あんまり見ないようなやつを。そのころから、ちょっと地味好きだったのかもしれないです(笑)」
やがてお花の仕事を始めたけれど、体力と気力が必要な現場を目の当たりに。
「これは結構きついな」と正直思ったそう。
「もし十年続いたら、自分のお店をしようかな?って友達に言っていたみたいで。あんまり覚えていないんですけど(笑)」
今はイベントからウエディング装花まで、なんでも一人でこなすみどりさん。
優しげな印象から想像できないパワフルさは、この経験があってこそなのかもしれません。
そしてついに十年が経った頃、"loji flower" をオープンすることになりました。
お店を開く以前から「神戸に住みたい」という思いが強く、生まれ育った岡山を離れ、この町へ。
「人も優しいですし、このコンパクトさもいいですよね。花隈は、住む場所とお店のバランスがちょうどいいなあと思います。
それに、せかせかしていないところも、合っているのかもしれません。」
のんびりとした町に、さりげなく佇むloji flowerさん。
路地裏を覗くように、ふと立ち寄ってみれば、思いがけない嬉しさと出会えるかもしれません。
[SHOP INFO]
loji flower
■OPEN|11:00-19:00
■CLOSE|日曜日(季節により変更の可能性あり)
■ADDRESS|〒650-0013 兵庫県神戸市中央区花隈町8−9
■TEL|078-381-8660
*ワークショップやお休みの情報はお店まで
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